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鉄道の意義

今日は、ちょっと鉄道の意義について論じてみたいと思います。

先月の2011年東北地方太平洋地震・東日本大震災。
この世界史上でも類稀なる巨大地震によって引き起こされた災害と津波。
それは鉄道とて例外でなく、多くの箇所で路盤が歪み、架線柱が倒れ、
架線は切断され、橋脚はずれてしまい、津波によって路盤が流され、
橋脚は流され、、、、。

例を挙げたら枚挙に暇がありません。
特に、津波の被害を受けた気仙沼線、石巻線、仙石線、常磐線、釜石線
などは惨憺たる状況でした。

震災直後。
津波による壊滅的被害を浴びた場所も含めて、物資が不足しました。
とくに、灯油・ガソリンなどの石油製品は、東北地方の石油精製拠点となっていた
仙台港が津波によって被害を蒙ったことも相まって、かなり切迫した事態となりました。
しかし、これは道路状況がある程度復旧されてからも変わることはありませんでした。

が、仙台港の石油プラントが復旧し、鉄道も仙台や東北地方各地の津波被害を蒙って
いない路線が復旧して、石油精製品を載せた貨物列車が迂回運転をしながらも被害が少なく
稼動している盛岡や郡山の基地に輸送を始めたところ、とりあえずは切迫した事態を
切り抜けることが出来ました。

理由は簡単です。所詮、自動車の運べる量などたかだか知れています。
タンク船や鉄道貨物タンク列車などに比べたら、比較になりません。
私の聞きうる限り、今回仕立てられたタンク車1編成を自動車タンクローリーに
換算すると、50台程だそうです。燃料が切迫した状態では、50台ものタンク
ローリーを被災地から動かすということは厳しいことです。
石油がそういう状況なのですから、他の物資とて同様です。

さて、モーダルシフトという言葉があります。
物を大量に動かすのには、船・鉄道という輸送機関が大量輸送の効率がいい上に
環境にやさしいので、自動車輸送からそちらにシフトさせていこうという事です。
船や鉄道という輸送機関が大量輸送が効率よく出来るのは、自動車が勃興した
当初から今に至るまでなんら変化はしていません。
むしろ変化したのは輸送機関そのものではなく、輸送の需要が変化していきました。

自動車の方が、載せ換えの手間も少なく、企業の物流倉庫からドアtoドアで輸送することが
出来るという点で重宝がられました。
もちろん小荷物輸送に関しても、宅配便の登場により玄関から玄関ベースで
輸送することが可能となりました。

対して船は港から港、鉄道は貨物駅から貨物駅、ないしは駅から駅ベースで、
そこから先は一般貨物の場合は自動車の手を借りたり、小荷物の場合は個人が
駅に取りに行くという、ある意味不便な点が敬遠されることになってしまったのです。

また、経済が進展することによって、貨物の輸送量が増えてきた頃、当時の日本国有鉄道(国鉄)
は、おりしも労働紛争が激しく、旅客列車もそうでしたが、貨物列車を定時で運行する事ができず、
顧客からの信頼を失いつつありました。
船では時間が掛かりすぎる。だけどもたくさんの物資を輸送することの出来る鉄道というものが、
その物資を確実に輸送できる物でなくなってしまったという事態に陥ったのでした。

しかし、今回。
その信頼を取り戻せるような事態が、不幸にも地震という災害によって起きてしまったと
いうのが現状です。

鉄道の意義とは、安定的に・大量に・比較的高速で“人”を輸送することが近年脚光を
浴びてきました。
例を挙げれば、東北新幹線八戸~新青森間の開業や、九州新幹線博多~新八代の
開業によって、北は青森から南は鹿児島まで。数年後には新函館(仮称)から鹿児島まで、
また、長野から金沢までという縦貫路線も完成すれば、北海道から本州を貫いて九州までという、
日本中に一大高速鉄道路線網を築くということが、まさに鉄道趣味・鉄道業界共に注目の的と
なっていました。
“人”を輸送することは、特に都市圏においては鉄道が主役を担って、日本の経済戦士達を
運ぶことによって、日本経済を引っ張ってきたと言っても過言ではないと思います。
反面、貨物輸送は鉄道貨物が不本意ながらも衰退し、輸送貨物量は少ないながらも、
こまめに回れる重宝な自動車による輸送手段を確立することによって、経済活動を
進展させてきました。
そんな中で縮小傾向にあって、それでも何とか需要を拡大しようと努力し、また新規開拓といった
事によって、実際需要が拡大しつつあった鉄道貨物。
危うく無くなってしまう寸前とまではいかなくとも、それに近い事になりつつも、
ここ20数年来の努力によって、何とか命脈を永らえたことが、多くの人たちの役に立ちました。

今回の震災によって、回りながらも安定的に・大量に・そして効率よく輸送できた鉄道貨物。
それを鉄道貨物の拠点から引き継いでこまめに輸送した自動車。
これは、物資の安定大量輸送という観点の基本に立ち戻ったときに、あるべき姿です。
それは鉄道貨物という存在・意義が更に見直されるポイントになるのではないでしょうか。

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